空き家を放置するリスク|経費と泥棒

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SAKURAE
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この記事では、前の記事で、説明しきれなかった実家の維持費について詳細を書きました。

家を放置しても発生する経費とあわせ、家を放置するリスクである泥棒の経験も紹介します。

土地を相続したら、のんびりできない理由のなかで、相続した実家には、維持費がかかるというお話しがでてきました。今回はそのお話。詳細な説明と、もうひとつのリスク、泥棒も実体験をもとにご紹介します。

増える空き家にかかる経費

空き家の総数は、この20年で約1.5倍に増加しています。空き家と言っても経費がかかり、持ち主に負担となってきているのではないでしょうか?

家等対策特別措置法について.pdf (mlit.go.jp)より抜粋
実家にかかる経費

前のブログと同じ図ですが、わが実家の場合経費ベスト3はこちらでした。実家は一軒家。岡山県の北部、人口10万人の津山市にあります。場所は、国道沿い。コンビニもショッピングセンターも近く、比較的便利な場所です。
約500坪に店舗兼住宅が建っていました。経費は、それを考慮してお考えください。

これらの項目は、必要経費だと思って支払っていました。なぜ必要と思ったのかについて、私の判断をご紹介します。

あくまでも、私はこう考えた。という内容です。

その土地の場所などによって、結論は変わるでしょう。参考にしていただければと思います。

空き家でも火災保険はやめられない

火災保険は、母がかけていたJA共済を、そのままかけていました。1ヶ月約1.5万円。年間にすると、20万円近くかかっていました。

建物が建っている以上、災害の備えは必要です。火災保険はやめられない費用でした。

空き家でも火災保険は必要

単純計算で、毎年1.4%ずつ資産が減っていくことになります。

固定資産税は更地にすると高くなる

不動産にかかる費用の代表的なものとして、固定資産税があります。これも払わない選択のないお金です。

固定資産税について、少し説明しておきます。以下が総務省のページを抜粋したものです。

固定資産税の概要

 固定資産税は、シャウプ勧告を契機として行われた昭和25年の地方税制度の根本的改革に伴い創設されました。固定資産(土地、家屋及び償却資産)の保有と市町村が提供する行政サービスとの間に存在する受益関係に着目し、応益原則に基づき、資産価値に応じて、所有者に対し課税する財産税となります。

 どの市町村にも広く存在する固定資産を課税客体としており、税源の偏りが小さく市町村税としてふさわしい基幹税目です。

1.課税客体土地、家屋及び償却資産
2.課税主体全市町村(東京都23区内は東京都が課税)
3.納税義務者土地、家屋又は償却資産の所有者
(土地、家屋は登記簿上の所有者等を、償却資産は申告のあった所有者等を固定資産課税台帳に登録し課税)
4.課税標準価格(適正な時価)
5.税率標準税率1.4%
6.免税点土地:30万円、家屋:20万円、償却資産:150万円
7.賦課期日当該年度の初日の属する年の1月1日

固定資産税の仕組み

評価額⇒課税標準額×税率=税額
評価額
固定資産評価基準により算出
○土地・家屋
3年ごとに評価替えを行い、それ以外の年度は原則据置き。
(宅地については、地価公示価格等の7割を目途として評価)
○償却資産
毎年評価替え
課税標準額
○政策的な特例措置
(<主な例>
小規模住宅用地:1/6
一般住宅用地:1/3)
○土地に係る負担調整措置
納税者の負担感に配慮し、評価額に対し税負担が低かった土地や、評価額が急激に上昇した土地の場合にも、税負担はゆるやかに上昇させるため課税標準額を調整する措置。
税率
標準税率1.4%
税額
政策的な特例措置
<主な例>
新築住宅 
一般住宅(3年1/2)
3階建以上(5年1/2)

土地・家屋・償却資産の評価の仕組み

1.固定資産評価基準(地方税法第403条第1項)

  • ○ 市町村長は、固定資産評価基準によって、固定資産の価格を決定しなければならない。
    ※ 固定資産評価基準= 地方税法第388条第1項の規定に基づき、固定資産の評価の基準並びに評価の実施の方法及び手続を定めたもの(総務大臣が定め、告示)

2.固定資産評価基準による資産別評価方法

1.土地宅地・農地等地目別に売買実例価額等を基礎として、評価額を算定宅地については、地価公示価格等の7割を目途に評価(平成6年度評価替から導入)
2.家屋再建築価格及び経年減点補正率等に応じて、評価額を算定再建築価格= 評価対象家屋と同一の家屋を、評価時点においてその場所に新築する場合に必要とされる建築費経年減点補正率= 家屋の建築後の年数の経過に応じて生じる減価を基礎として定めた率
3.償却資産取得価額及び取得後の経過年数等に応じて、評価額を算定評価額= 取得価額- 取得後の経過年数等に応じた減価分評価額の最低限度= 取得価額× 5%
総務省|地方税制度|固定資産税の概要 (soumu.go.jp)

固定資産税の概要

  1. 特例や自治体によって違いがありますが、固定資産税は一般的に不動産評価額の1.4%が、毎年課税されます。
  2. 空き家であっても土地に建物があれば、評価額を少なく計算されます。1月1日の状態を反映して計算されます。軽減の割合は小規模住宅地で1/6、一般住宅地で1/3です。
  3. 新築住宅、一般住宅では、新築から3年間は固定資産税の額は1/2になります。また、3階建て以上の住宅を新築した場合は5年間、固定資産税が2分の1になります。
  4. 他にも、固定資産税の減免制度がある自治体があります。

固定資産税制度をうまく利用するためには

税制度で考えると、相続した土地は更地にしない方がお得です。ただし、最近はこの制度を利用して空き家を放置する人が多く、空家等対策特別措置法によって、倒壊の危険がある「特定空き家」に指定された場合、固定資産税の特例は適用されなくなりました。空家の放置も程度ものということでしょう。

もし、いったん更地にして、なにかを建てる予定でも、1月1日には更地にしないほうが、固定資産税を節税できます。そして、逆に更地に家を建てるなら1月1日までには建てた方がお得でしょう。

私の考える固定資産税のポイント

固定資産税は、毎年1.4%ずつ資産を減らしていき、単純計算で70年たてば不動産評価額を支払ってしまいます。なにもしていなければ、70年後には、財産は無くなる仕組みです。相続した財産は、そのままでは目減りします。

私が固定資産税で感じるのは、現金でないものの価値を現金で支払う大変さです。家や土地を持っていれば、余計な費用なしに暮らせるように感じるかもしれません。しかし、結局、固定資産税という家賃が必要になるのです。

数字は我が家のものではありません。

庭の手入れや修繕費も必要

前項でも少し書きましたが、空家等対策特別措置法という法律で放置しすぎた空き家は、特定空家に指定される場合があります。そのころは、そこまででもなかったのですが庭はずいぶん荒れました。

母は、年に2回庭師を入れて、10万以上かけていました。空き家に、それだけのお金をかける必要性を感じず、しばらく庭師を入れていませんでした。

国道沿いの土地だったので、レストランやコンビニの利用客の目も気になりました。定期的な草刈りも必要でしたが、これは夫がしてくれました。

それでも、夏の盛りには、ツタが茂って倉庫を覆い隠すほどの状態。友人は、素敵と言ってくれましたが、私自身には心まで覆い隠すように思えたのです。

その後、庭師に、お願いして、ある程度片づけてもらいました。

空き家の経費

こちらが、母が亡くなって半年たった実家の庭の様子。1回庭師を入れて2ヶ月ほど経った頃です。

私は、まだ病気のため、手が頭の上まで届きませんでした。

「このままでは、続かない」と、考えるようになったのは、このころです。

泥棒?

そんなとき、実家の一部にある薬局店舗のものが無くなりました。

それも、強壮剤とスキンなどばかり。荒らされた形跡はないのに、その棚だけ、丸ごとなくなっています。

見つけたとき、わたしは何故ないのかな?とは思ったものの、荒らされてもいないし、急いでいたのでそのまま実家を後にしました。

でも、どう考えてもおかしい。と疑念がわいてきます。どんどん気味悪く気持ち悪く思えてきました。

その晩は寝られず、夜明けを待って実家に行きました。誰かがいるかと警戒したけれどおらず、窓や扉を確認すると3つほどが開けっ放しになっているのを発見して戸締りをし、帰りました。

「空家だとわかっている家は、泥棒や空き巣、たまり場になりやすい」と聞いていたけれど
うちにも、こんなことがあるなんて。とショックでした。

盗まれたものは、実害として届けるようなものではなかったので、通報はしませんでした。でも、それから実家に行くのが怖くなりました。

この出来事が、実家を早いうちにどうにかしないと、と思うようになったきっかけです。

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