母は介護が必要?でも……
もし親の身体が動かなくなってきたらどうしますか?私の母は病院にいかない人で、ずっと前から、いざとなったらどうすればいいのかについて、心配していました。
それは、私がひとりっこなせいもあったと思いますし、親子関係がよくなったせいもあると思います。
ついに、見て見ぬふりをしていたことに目を向けるときがやってきました。”私にはできそうにない”という気持ちと、”ひとりっこなら、親の介護をするべき”という世間の常識に挟まれたときから始まります。これは明日のあなたの話かもしれません。
簡単な前置き

うちの母は、病気は自分で治すというのが自慢の人でした

そんな人がいるんですね うちは病院ばかり行ってます

医療費がかからないから、表彰してほしいなんていってたんですけど……
実は、亡くなる10年以上前から手が震えてたんですよ

それは、病院で診てもらったほうがいいかも

本人は、歩くのもやっとの状態なのに病院に行かず
「手伝いに来い」って言ったんですよ。
自分が薬局を経営していたプライドもあったんでしょうけど。

いくら手伝いと言っても、
病気で体が動かないんじゃ、素人ではどうにもならないんじゃないんですか?

そうなんです。
それまで、母には何を言っても無駄なので放置状態だったのですが
そこで行き詰まってしまいました。
これは、母が行政や医療につながるまでのお話です
母の調子が悪いらしい
2018年12月、私は手詰まりで悩んでいました。
それは、急に弱った母のこと。
母は、過去、大きな新薬の薬効を発見して功績をあげた人物。
その頃は薬局を経営していました。
プライドが高く内弁慶。
人の意見を受け入れるくらいなら、屁理屈ででも勝ちたい人。
数カ月前にも、夕方ごみを焼いていたら、消防車を呼ばれてしまったことがあって
「あと少しで、焼けたのに、若造(わかぞうって……)が水をかけたからうまくいかなかった」
と、憤慨して怒っていました。
母の負けず嫌いは、私に対しては特にひどくて
私は、常に、けちょんけちょんにけなされていました。
母に会うのは気が重く 呼び出されたときだけで、それも他の家族についてきてもらう状態で、母のことをどうこうとは考えられませんでした。
様子を見にいってみたものの
実は、2週間ほど前に”弱っている様子だから気をつけてあげて”
そう親戚から言われ、様子を見に行ったのですが
「あんた、相撲取りみたいに太っておかしいんじゃない?」
そう言われ、期限切れのダイエット食品を持たされ、すぐ帰ってきてしまいました。
私が未熟なのかもしれませんが
コミュニケーションがとれない状態は改善されませんでした。
母は、薬局をしていて、弱っても続けていました。
それでも、1m歩くのに3分くらいかかっている。
明らかに様子がおかしいので病院に行こうと誘っても、
「私は保険証を使ったことがないのが自慢だ」の一点張り。
その言葉をいいことに
また、私は放置してしまっていました。
母のことは、私の能力を超えていました。
母からのSOS?でも……
そんな母から電話があったのは今朝のこと。
転んだから、来てほしいという。
あわてて様子を見に行ったら、
母は普通に椅子に座っていて、あなたは思いやりが足りないという。
「週に半分ぐらいは来て手伝って!」
だったら病院に行こうといっても、私は保険証を使わないからと断固拒否される状態でした。
その日、母に日常的に付き合いのある叔母たちに電話をして
私には見せない母の様子を聞きました。
母のことを母以外の人に問い合わせたのは、それが最初です。
そこでわかったことは次の通り。
- ひとりでは歩けないほど衰弱していること
- 手助けが欲しそうにするのに、助けようとすると”必要ない”と断ること
- 病院には行きたくないこと(たぶん怖くていけないのではないか)
10年ほど前から手が震えていた母。
疲れているせいと言い訳していたけれど、やっぱり病気だったのか。
病院通いをする人の悪口ばかり 、自分は病院に行かないのが自慢だったけれど……
さて、どうする。
そのときには、何も打つ手がないように見ました。
悩みに悩んで頼ったのは……
母は、暗に私に介護をしろと言っている(ように思える)。
そうするしかないのか……
それでは、たぶん私が壊れてしまう。
私が流産した時
母から、朝晩に電話がかかってきた。
「私の言うことを聞かなかったから、流産することになった」
そう、何度も何度も言われた。
それから、母と距離を取ることにした。自分のために。
今も、母のところに
行くたびに傷つけられてしまう。
それは、私が打たれ弱いせいもあるのかもしれないけれど、
そんな状況になるのは避けたい。
娘の受験ももうすぐだ
自分勝手な考えだとは思ったけれど
私には、母を手伝ったり、一緒に住んだりなど考えられなかった。
それでも、一人娘の私には介護のために母と住む選択しかないのか……
私は介護のことは、何もわからず、2018年当時はインターネットを検索しても親子関係が良い場合の介護の話ばかり。
親子関係は良いのがあたりまえのような書きっぷりで,自分は欠陥人間だと自信を喪失するばかりでした。
私の状況にネット検索は役に立たない。
誰かに聞きたい 聞かなくっちゃ…
思いついたのは市役所
その時は、
市役所にも、うちの母を、どうにかすることなど無理だと思っていた。
私は、市役所に行き、一番関係のありそうな老人介護課の窓口で言った。
「もう、どうすればいいのかわからないんです……」
「ああ、そういうことは、よくあることなんですよ」
市役所の人は言った。
その言葉が始まりでした。
そこから、母とのいろいろと私の病気の絡む日々が始まったのでした。
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